“学生が動かす日本最大級の組織” 筑波蹴球部・副務の舞台裏_大和田歩夢(筑波大学3年)

─ “スポーツの世界にワクワクを生み出したい” その想いが、僕の気持ちを筑波に動かした。

筑波大学蹴球部で副務を務める大和田歩夢(おおわだ・あゆむ)。

水戸桜ノ牧高校で選手としてサッカーに打ち込み、一般入試で筑波大学へ。
現在は、トップチームの帯同から年間数千万円規模の予算管理、全体会議の運営まで、
“学生が動かす日本最大級のサッカー組織” の中枢を担っている。

「どうして筑波を選んだのか?」
「副務としてどんな毎日を過ごしているのか?」
「大学サッカーの本当の魅力とは?」

高校生と保護者に届けたい“リアル”を聞いた。


■ 高校生の頃に芽生えた、“スポーツの裏側を動かしたい”という想い

水戸桜ノ牧高校で選手としてプレーした大和田。
しかし彼が抱いたのは「選手としてだけじゃない、スポーツの裏側を知りたい」という感情だった。

「中学生の頃、ホームゲーム運営に関わる機会があって。
スポーツを通じて人にワクワクを届ける仕事に惹かれたんです。」

高校2年の冬にはすでに志望校を“筑波大学”に決めていた。
決め手は2つ。

  1. スポーツ・体育学を日本最高レベルで学べること
  2. 学生主体で巨大組織を運営する蹴球部の文化

先輩から聞いた「学生自治で動く組織」という言葉が、強く心を掴んだという。


■ 一般入試での挑戦。

「部活11月まで→E判定→それでも筑波に行きたかった」

受験は一般入試。
周りの仲間が6月で引退する中、選手権予選の11月までプレーを続けた。

「部活してた頃はずっとE判定・D判定。
でも“筑波でスポーツを学びたい”が本気だったので、
スキマ時間をすべて勉強に回しました。」

部活引退後、一気に成績が伸び合格。
努力の先に、筑波での生活が始まった。


■ “学生が動かす巨大組織” の中心へ。

副務という役割は、想像の3倍ハードで10倍おもしろい。

現在の大和田の1日は、ほとんど“動き続けている”。

授業 → スタッフミーティング(16:00〜) → 練習帯同(17:30〜19:00) → 組織ミーティング(20:00〜22:30)

その後に事務作業や準備が入ることもある。

副務の役割は多岐に渡る。

▼ 主な業務

  • 部の方向性を決める意思決定
  • 大会エントリー(総理大臣杯、インカレ、関東リーグ)
  • 大学・保険関連の事務手続き
  • 2000〜3000万円規模の予算管理
  • 全体ミーティング(月1回)の統括
  • 各局の局長ミーティングの運営
  • トップチーム帯同、現場マネジメント

「忙しいです。でも“日本一に関わっている”という手触りは大きい。自分の仕事がチームの力になっている感覚は、何ものにも代えがたい。」


■ 来季は “トップチーム専任マネジメント” へ

同じ副務の仲間と話し合い、
来年度は 「組織運営担当」と「トップチーム担当」に分業する新体制 を提案。

大和田は トップチームマネジメントの専門担当 へ進む。

「組織が大きくなる中で、従来の“主務1人が全部見る”形は限界がある。今の組織にとっての最適解を選びました。」

学生が自ら組織設計を考え、実行する。
これこそ筑波蹴球部の強さだ。


■ “最初のキャリアは一般企業へ”

スポーツから一度離れて、外側から見てみたい。

就活生としての顔も持つ大和田。
意外にも、最初のキャリアは “一般企業” を志望している。

「ずっとスポーツだけに関わってきました。
だから一度、スポーツから離れて外側の視点を持ちたい。」

スポーツに戻るのか、別の道を進むのかは未来の自分に委ねる。
だが彼の中で軸はぶれていない。

「スポーツが好き。ワクワクを届けたい。その気持ちは変わらない。」


■ 高校生へのメッセージ

「大学サッカーには、“挑戦できる自由”と“プロの基準”がある。」

高校サッカーの華やかさを知っている大和田は、大学サッカーの価値をこう語る。

◆ 大学サッカーの魅力①

『プロの卵たちの価値観を最前線で浴びられる』

「プロになる選手の基準・価値観を“隣で”感じられるのは大学の特権。」

筑波のトップチームはプロ内定者も多く、
彼らの努力・基準を近距離で見られるだけでも、得られる刺激は計り知れない。


◆ 大学サッカーの魅力②

『学生だから挑戦できる環境が無限にある』

  • ホームゲーム企画
  • スポンサー営業
  • SNS企画・デザイン
  • 地域連携
  • 各種プロジェクトの立案・実施

ここまで“自由で、失敗できて、社会的インパクトを生み出せる”ステージは他にない。

「やってみたいと言えば“やってみようよ”と言ってもらえる文化。これが筑波の強さです。」


◆ 大学サッカーの魅力③

『社会に残せるインパクトを生み出せる』

高校サッカーは “瞬間的な注目度”。
大学サッカーは “社会に残るインパクト”。

「学生がスポンサーをつけたり、天皇杯でJクラブに勝ったり。
学生だからこそ起こせるインパクトがある。」


■ 最後に——

「迷っているなら、一歩踏み出してみてほしい。」

サッカーを続けようか迷う高校生、
スタッフとして関わる道を考える高校生に、最後のメッセージ。

「プレーだけじゃなくても、サッカーに関わる道はたくさんあります。大学サッカーには“挑戦できる自由”がある。
その一歩で、自分の可能性が一気に広がります。」


🏫 編集後記(MOISH)

筑波大学蹴球部という巨大組織の中心で動き続ける大和田歩夢。
彼の姿からは
「学生が動かすからこそ生まれる力」
「大学サッカーの価値はプレーだけじゃない」
というメッセージが強く伝わってきた。

大学サッカーの世界をもっと知りたい高校生にとって、
この記事が “次の一歩” を踏み出すきっかけになれば嬉しい。

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